医師はSNSを実名でするべきか?
私は以前Twitterをしていてお医者さんアカウントをたくさんフォローしていましたが、たまに「医師はSNSを実名でやるべきだ」「いやその必要はない」という議論が巻き起こるようです。
私個人の考えを先に述べると「実名だと変な人から嫌がらせを受ける可能性もあるので必ずしも実名でやらなくてもいいと思うけれど、匿名だと自分が医師であると証明できないので信じてもらえなくても文句は言えないよ」です。
医師の実名を入力すれば、医師免許を持っているかどうかはすぐわかります。またネットで検索をかければ勤務先も簡単にヒットしますし、過去に書いた論文なども出ます。
またその医師が製薬会社から講演料などのお金をいくらもらっているかも調べることができます。これらの情報はとても参考になるものだと思います。
特定の製薬会社からたくさん謝礼金を受け取っている医師であれば、その製薬会社の商品を悪く言うはずがないですからね…
誰かが「医師は実名でSNSをやるべきだ」と言うと医師の方は「お前たちだって匿名じゃないか!」と反論します。
しかし考えてみてください。「私は医学に関しては全くの素人です」と言っている人の本名が山田太郎さんだろうと加藤次郎さんだろうとそんなことは別に影響はないですよね?
でもこれが「私は医師です、医師として正しい医療情報を流すのでみなさん僕の言うことを聞いてくださいね」だったらどうします?その人が医師かどうかは重大な問題じゃないですか。

確かに、医師ではない人が「僕は医師です」と言ったらみんな信じてしまうニャー…

それで真に受けた人が大変な目に遭うことだってあるかもしれないでしょう?
匿名ゆえに過激な発言をする医師もいます
実名の医師だからといって全員が正しいとは限りません。それは多くの方はわかっていると思います。ただ、その医師が医師免許を持っているかどうかははっきりとわかりますよね。
実名でも過激な発言・間違った発言を繰り返す医師もきっといらっしゃるでしょう。しかし、匿名だからといってすごいことを書いてしまう医師の方もたくさんいますよね。
「糖尿病患者は患者単価が爆上がりで儲かる」「インフルエンザ患者がこの時期はたくさん来るので儲かる」とツイートしていた医師は匿名でした。実名でそんなことを書いたら大変ですものね💦
ごく一部の医師だと信じたいですが、そのような医師って「自分が医師であると書くことで自分の書き込みにハクをつけたいけど、医師としての責任は取りたくない」ということじゃないでしょうか。
いま新型肺炎についてかなり話題になっていますが、仮に新型肺炎に関する情報をSNSで書いたとして、まったく同じ内容だとしても「素人が書いたものより医師が書いたものを信じる」方が多いのではありませんか?
自分が医師であることは証明できないけど「自分は医師なので正しいことを書いています」とアピールはしたい、匿名なので何を書いても自分の身は大丈夫…
たとえばTwitterであれば、Twitter社が医師免許を確認した医師アカウントには「医」バッジをつけてあげたらいいと思いますね。
時々目にしますが、患者さんのことをネタにしているドクタはいつか必ず痛い目を見ます。時に愚痴が出るのはしょうがない。ただそれを面白おかしいテイストでブログにしたり、フォロワを増やすためにしているのはモラルがないの一言につきます。プロとして恥ずべき行為。ネットに慣れてないのでしょうね
— Soul-in 焼肉専門医 (@ngyx202) December 3, 2018
「SNSなんてしょせんネットなんだから、嘘もあって当然。嘘を嘘と見抜けないほうがバカなのです」なんていう医師の方も見かけますが、これはあんまりじゃないでしょうか。
「騙されるほうが悪いんだ」と情報発信する側が言ってしまうとねぇ…医師として、嘘の情報を発信する偽医師が存在することを問題だとは思わないのですかね。
患者はいつも一生懸命です。必死に情報を探しているとき、言葉巧みに自分を医師と偽って嘘の医療情報を流す匿名の自称医師がいた、そんなのに騙される人が悪い…はあまりにも冷たいですよ。
ちなみにSNSで「自分は有名医科大学の勤務医」「父親が開業医」などと嘘を書いていた男性が詐欺で逮捕されましたが、彼の投稿はとてもリアリティがあり、医療関係者たちも騙されていたんですって!これでも患者をバカと言えますか?
内容が正しければ偽医師でもいいの?
中には「その人が本物の医師だろうとそうでなかろうと、投稿の内容に医学的根拠があれば別にいいじゃないか」という方もいます。
しかし、それなら素人の私が医師に成りすましてどこかから「正しい医療情報」を拾ってきて流しても問題はないのでしょうか?
匿名医師の新型コロナウイルスに関する情報は、偽医者との区別がつかないからご注意ください。
真に受けるのは危険があります。また、安易に医師の名を騙るのはダメです。
医師で無いのに医師と名乗ったら医師法第18条違反の犯罪です。
50万円以下の罰金ですが起訴されたら立派な前科です。— 東京中央法務オフィス (@iidabashilawyer) February 14, 2020
↑どうやら、医師ではない人が医師のふりをするのは法律的にも大いに問題のようですね!!医師に成りすますのは絶対にやめましょう。
自分の好きなようにすればいいと思うが…
医師かどうかにかかわらず、SNSを実名でやることにはかなりリスクも伴います。だから匿名でも別にかまわないと思います。
ただ、自分が匿名だからと言って「実名の医師のほうがヤバいやつが多い」などと単にライバル潰しとも取れる発言をなさるのは正直見苦しく思います💦自分が医師かどうかも証明できないくせに。
私は匿名の先生の多くを偽医師だとは思いませんが、可能性として「中には偽医師も混じっていてもおかしくはないな」ぐらいに思っています。実際、たまーにありますよね。。
「今日のおやつはおいしかった♪」みたいなツイートをなさる医師が本物だろうと偽物だろうとどうでもいいんですけど「医師として正しい情報を書きます」とおっしゃるのなら、そりゃ実名のほうが信じてもらえるのは当然ですね。

自分が匿名でSNSをするのは自由だけど、実名の先生を「実名だから」と悪く言う権利はないよニャー。

医師同士のマウンティング合戦もほどほどにね~。