羅川真理茂先生の代表作「赤ちゃんと僕」
「赤ちゃんと僕」は、1991年から1997年まで白泉社の雑誌「花とゆめ」に連載された羅川真理茂先生の漫画です。
よっしーは中学時代「花とゆめ」を読んでいて、後に赤僕のコミックスを全巻購入しました。またアニメのDVDも持っていて、今でもたまに息子たちと一緒に観てます♪
このマンガは小学高学年の拓也くんとまだ小さな弟の実くんを残してママが交通事故に遭って亡くなってしまうところから始まるお話ですが、明るいホームコメディです。
※この記事にはマンガのネタバレを多数含みますので、ご了解の上で記事の続きをお読みくださいませ♪
作者の羅川真理茂先生は年齢を公表なさっていませんが、「赤僕」の連載が始まった時はかなり若かったそうです。
でも、マンガに登場する子供たちがすごくリアルで「まだ子供を育てていない人にこんなに描けるものなんだなぁ…」と感心してしまいます。
そして、何といっても絵柄がすごく可愛い!少女漫画らしく目が大きいですが、登場人物の大部分が小学生や幼児なので余計に可愛らしいですよね。
実くんみたいな子が実際にいたらどうかな??
マンガの実くんはとても可愛いのですが、現実に実くんみたいな子がいたら…うーん、どうですかね?
いくらママがいなくて寂しいと言っても、実くんは母親に甘えてるよその子を見て嫉妬し、いきなり突き飛ばしたり積み木で殴ったりしているんですよねぇorz
スーパーとか駄菓子屋さんで、お会計してないのに勝手に食べちゃっててパパや拓也が代金を払うシーンもありましたけど、息子たちはこんなことは1度も無かったです💦
基本的にこのマンガって顔が良ければなんでも許されるというか、実くんは可愛いから何をしてもあまり叱られないってところもあるのかな~。
拓也くんの友達のゴンちゃんなんて、じつは友達思いでなかなかいいヤツなのにイケメンではないから女子からまるで相手にされてないorz
しかし実くんはわがままで泣き虫だけど、クリスマス会で出されたお菓子をお兄ちゃんのために残してきてくれたりと健気な一面もありますね。
もしママが生きていたら、実くんのわがままにもきちんとしつけをしていたのかもしれません。よっしーの息子がもし実くんみたいな子だったら、苦労したでしょうね。
パパはアニメ版でも、小さかった拓也くんがお祭りの夜店でちょっとウサギを見ただけですぐに「買ってやろうか」と言うなど少々甘すぎる面がありますwww
実くんは赤ちゃんなの??
赤僕の最初で、兄の拓也くんは小学5年生でした。体格や服装などから、おそらく1学期…春ではないかと思われます。
そして最終回では拓也くんは小学校を卒業し、中学生になっています。その少し前に実くんは「もうすぐ3つになろうとしている子」と言われているので、最終回では3歳になったぐらいでしょうか。
そう考えると、連載開始時は実くんはまだ1歳になったぐらいでしょうね。まだ歩き方がちょっと不安定で、粉ミルクも飲んでいます。まだ赤ちゃんですね。
でも連載を通じて、拓也くんが小学6年生の期間がもっとも長かったです。ということは、実くんは2歳になっているわけです。
普通は、赤ちゃんと呼べるのは1歳半ぐらいまでじゃないでしょうか?実くんはちょっと言葉が遅いみたいなので、実年齢よりも幼い印象があるのかもしれませんね。
花とゆめ1991年17号に掲載された「お兄ちゃんの僕」というタイトルの話があるのですが、「赤ちゃんと僕」よりも「お兄ちゃんの僕」のほうがタイトルとしてはふさわしかったかも?
小学高学年の子供たちの成長がリアルだな
拓也くんは小学5年生の3学期に声変わりが始まっています。友達の藤井くんはそれよりも早く声変わりが始まったそうです。
小学5年生というのは少し早い気がしますけど、なんだかリアルですよね…よっしーの長男は中学に入ってからかな?
今も少しずつ低い声になっていますが、まだ完成していないようです。声変わりって終了まで時間がかかるのね…数年間かかる子もいるそうです。
お父さんが船乗りでめったに家に帰ってこない竹中くんが、どうしてもお母さんに相談できない悩みを拓也くんのお父さんに相談しに来る回はビックリでした…あんなもの?
6年生になった拓也くんたちは修学旅行に行くのですが、女の子3人グループがしょーもないことでケンカしたり仲直りしたりするのも「ああーこのぐらいの年齢の女の子あるあるだわ…」って感じ。
深谷さんは両親が高齢であることを恥ずかしく思っていて、両親をおじいちゃんおばあちゃんだと思っている同級生たちに本当のことを言えずに嘘つきと思われていましたが、あの年齢の女の子ならなかなか言えないでしょうね…うん。
拓也くん、いい子すぎてストレスたまったりしない?
拓也くんって運動神経抜群で勉強もできて、とてもいい子ですよね~。よっしーは「拓也くんみたいな息子が欲しいわぁ」ってずっと思ってました。
でもよく考えたら、拓也くんっていい子すぎて何かとストレスがたまるんじゃないかと心配になりますよね。
2歳の実くんがフードコートでラーメンを食べているとき、通りすがりのオバチャンたちから「まぁ、可愛い子なのに食べ方が汚いわねぇ」「しつけがなってない」と言われたことがありました。
2歳の子がラーメンをきれいに食べられるわけがないんですけど、マジメな拓也くんは「ママのしつけがなってないって思われた!」とショックを受け、実くんに厳しく食べ方をしつけようと感情的になってしまいます。
で、上手に食べられない実くんを追い詰めてしまい、実くんはかんしゃくを起こして拓也くんの手に噛みついてキィーっとなってしまいました。このあたりの描写がものすごくリアル!
その他拓也くんはストレスで胃が痛くなったこともあります。とてもいい子なのですが、適度にストレスを発散させた方がいいんじゃないかなぁ。いつもいい子じゃなくてもいいんだよ。
中学生になったら運動部に入って思いっきり汗を流せばいいと思うんですが、実くんがまだ小さいので保育園のお迎えとかいろいろ難しいかな…
保育園の先生たちだけはリアルではないかも…
実くんが通っているのは第二ひまわり保育園。そこの園長先生は男性で、とにかく可愛い子供が大好きなんですよね。
ただ…好きなのはどうやら、容姿の良い子供だけみたいです。拓也くん(!)や実くん、一花ちゃん、マサくんなど綺麗な顔の子供は大好きみたいですね。
でもヒロちゃんに対して「私が好きなのは可愛い子供だけなのでその子には興味がないよ」的なことを言うシーンがありましたが、こんなの絶対にありえないです!!
息子たちは幼稚園に通っていましたが、容姿で園児を差別するような園長や先生なんて絶対にいなかったですよ~~。いたら大問題ですよね。
あと、現場を見ていないのに1人の園児の言い分だけ聞いて「実くんダメでしょ、どうしてそんなことをするのっ!」と先生が叱りましたが、ああいう叱り方も実際はしないでしょう。まず両方の話を聞くはず。
とてもリアルに描かれている「赤僕」ですが、保育園の先生方の描写だけはちょっとリアルじゃないかな~と感じました。しょうがないよね。
涙・涙!「赤僕」の気になる最終回は?
実くんのお気に入りのクマさんのTシャツは、しょうゆをこぼして汚くなったので捨ててしまいました。クマさんの服が欲しいといって泣く実くん。
パパはクマさんの絵が入った赤いTシャツを買ってきて、ある日仕事帰りのパパと食事をする約束をした拓也くんとTシャツを着た実くんは待ち合わせの場所に向かいます。
ところが、たまたま出会った近所の成一くんから「お前、その服女の子用じゃねーの?」とからかわれ(実際に女の子用の服だったのをパパが気が付かずに買ったらしい)実くんは号泣。
機嫌が直らない実くんのために拓也くんは男の子用のクマさんのTシャツを買ってやろうと思ってあちこちのお店を探しますが、実くんが気に入るものがどうしても見つかりません。
いつまでもすねている実くんに腹を立てた拓也くんは赤いTシャツを脱がせ、さっさと歩きだします。実くんはきっと追いかけてくるはずだと思って…
ところが、慌てて拓也くんを追いかけてきた実くんは、自動車にひかれてしまいました。病院に搬送され、手術が行われますがとても危険な状態に陥ります。
いったんは心臓が止まってしまった実くんでしたが、亡くなったママが手をつないで「この世」に戻してくれて無事に生き返ったのです。
そして春になり、すっかり元気になった実くんと、中学生になる拓也くん。中学校の入学式に出かけるパパと拓也くんと実くんに誰かが「いってらっしゃい」と呟いたのでした…
最後に「いってらっしゃい」と呟いたのは、亡くなったママやおじいちゃんおばあちゃんでしょうね、おそらく。
大人になり母になってから読む「赤ちゃんと僕」
中学生だった時から「赤僕」は面白くて好きでしたけど、大人になり息子たちを産んでから改めて読み返してみると、当時は気付かなかったこのマンガの「奥深さ」に驚かされます。
子供って可愛いんだけど、一生懸命育てなきゃ…と思えば思うほど時に疲れてしまうことってあるんですよね。19歳の若妻の史穂さんの話なんて、実際にありそうな話だなー…
また、今でこそいいお父さんの春美パパも大学生の頃は軽い遊び人だったというのも、面白いですね。親は、子供と一緒に少しずつ成長するものなのでしょう。
子育ては決してラクなものじゃないし、いつどんなことが突然分かるかもわからないものです…でもやっぱり、毎日その日を大事にして、子供と一緒にしっかり前へ歩いていきたいと思いましたね。
子供の頃に読んだことがある人も、大人になってから読み返してみると以前とは違った感想を持つかもしれませんよ♪