阿部寛さんが初主演した医療ドラマです
『ぼくが医者をやめた理由(わけ)』は1990年5月27日から7月8日までテレビ東京系列で日曜日の21時から放送されたドラマです。放送回数は6回と短かったです。
主演の阿部寛さんはこのときドラマ初主演、26歳でした。新米医師が経験する様々な修羅場をリアルに描き、医療現場に横たわる問題をさりげなく織り込んだ作品だそうです。
よっしーは医師になりたいと思っていたこともあり、このドラマをとても気に入って観ていました。阿部寛さんはとても背が高くてくっきりした顔立ちでかっこいいですよね♪
ドラマを観て興味を持ったので、原作の「ぼくが医者をやめた理由」「ぼくが医者をやめた理由つづき」という本を買って読んでみたんです。
すると「ぼくは背が低いし、目鼻立ちだって決して美しくない」というようなことが書いてありました。へぇぇ!?
これは原作者の故・永井明先生の若い頃の自伝的な本なんですね。そして、主人公の容姿こそ違いますけど、テレビドラマはわりと原作に忠実に作られていました。
※この記事にはドラマのネタバレを含みますので、ご承知のうえで続きをお読みください。
へぇー、自伝ということはだいたい本当にあった話なんだね。
そうみたいね、とてもリアルなお話なのよ。
看護師さんにどつかれる若い医者!
主人公の「ぼく」は医師であり、病院にはいろいろな患者さんがやってきます。女性の患者さんにちょっと質問しにくいことがあってモジモジしていると、後ろからドン!とおばさんの看護師さんにどつかれたり(笑)
これ、すごく分かるんですよ。よっしーが4年前に糖尿病で最初に診てくれた若い兄ちゃんの先生は「あのぅ、ちょっとヘンなことを訊きますが…💦」とモジモジしていましたから。
質問の内容は「これから子供をもうひとり望んでいるかどうか」というだけの内容だったんですけどね。カワユス先生♪
そして美人の患者さんを聴診していて「自分の胸がドキドキするので肝心な音が聞こえない…」本当にそんなこと、あるんでしょうか?
ちなみに最初に診察してくれた若い先生は毎回聴診をしましたが、今の主治医(糖尿病専門医)は1度も聴診をしたことがないですwwwそんなもんかしらね。
ちなみに以前Twitterでアンケートをとったのですが、糖尿病の患者さんに主治医が聴診をするのは約半数みたい。やってもやらなくてもいいのかな!?
なぜぼくは医者をやめてしまったのか?
タイトルは『ぼくが医者をやめた理由(わけ)』ですが、じつはドラマの中でも原作の中でも、医者をやめた理由ははっきりとは語られていないんですよね。
終盤でカナダのモントリオール大学国際ストレス研究所に留学することを決めるシーンがあるのですが、実際にはそれが理由で医者をやめたわけではなく、帰国後に内科医長となったそうです。
永井明先生がいわゆる「(普通の)医者をやめた」のは35歳の時で、有限会社「翔洋社」を設立し医療ジャーナリストとして活動したり、船医もなさっていたようです。
アニメ『ブラック・ジャック』の医療監修やマンガ『研修医古谷健一』及び『医龍-Team Medical Dragon-』の原案も手掛けた永井先生は56歳で肝臓がんでお亡くなりになりました。
結局、なぜ「ぼく」が会社をやめてしまったのかはハッキリとは分からないのですが、「ぼくは医者に向いていないのかなぁ…」などといろいろな思いがあったのかな、と思います。
「この件がキッカケで医者をやめた」という決定的な事件があったわけではなく、ちょっとずつ「ああ、向いてないんだな、やっぱり…」ということだったのかもしれませぬ。
こんなに長生きしたんだもん、もういいよね
イギリス人のボイドさんというおじいさんの患者のエピソードがあります。ボイドさんは糖尿病なのですが、紅茶に砂糖をたくさん入れて飲むのが大好き。
「ダメよ、ボイドさんは糖尿病なんだから」と言う看護師さんに対して「もういいよね、ボイドさんはあんなに長生きしたんだもの、好きにさせてあげようよ…」と思っても言えないぼく。
よっしーは糖尿病患者ですが、夫と息子たちのためにまだ死ぬわけにはいかないので糖質制限を頑張っています。
でも、もし「もうこんなに長生きしたんだもん、もういいよね」と思えるような年齢だったら、また違っていたのかなぁなんてふと考えたりします。
実際にこういう場面になったら、先生たちは患者になんと言うべきなんでしょうかね。難しい問題だと思います。
余談ですが、ボイドさんの息子さんが長身イケメンのモデルで、看護師さんたちがその息子さんたちにキャーキャー言うのを見て主人公が嫉妬に狂う姿が可愛いですwww
主題歌は岡村孝子さんの『kiss』
『ぼくが医者をやめた理由(わけ)』の主題歌は岡村孝子さんの『kiss』という曲なのですが、これがとても共感してしまう素敵な歌なんです。以下はこの曲の歌詞の引用です。
もしも悲しい真実ばかり瞳に映るとしても 本当の私が望む生き方信じてあげたい
ドラマでは「ぼく」よりも年上の女医さん(浅田美代子さんだったかな?)が登場するのですが、その女医さんが終盤で「私、先生の事…好きだから…」というシーンがありました。
あんまり恋愛描写がなかったドラマですけど、何も描かれていないからかえって良いのかもしれませぬ、ウン。
若かった阿部寛さんが演じた初々しい「ぼく」も、永井明さんの原作の「ぼく」もとても良いですよ♪なぜぼくが医者をやめてしまったのかを、改めて考えてみようかなと思います。
原作はとても読みやすい本なので、興味がある人はぜひ読んでみてね!
当時と現在の医療現場はどう変わったかしら…なんて考えてしまうわ。